2011年10月20日
「春夏秋冬」

毎年9月の中頃になると気仙沼から電話がある。小川のおばさんだ。焼津港に水揚げしに寄る船「太陽丸」に住むご主人に「携帯電話とお茶を渡して欲しい」と。今年は震災の影響もあって例年より1カ月遅れた。僕はこの電話があると少しウキウキする。小川さんは一年のほとんど約11カ月を船の上で過ごす。そんな小川さんや一緒に船に暮らすオヤジ達の話を聞くのが、僕は好きだ。なまっているし、皆口をすぼめて話すので全てがはっきりと聞き取れない。何を言ってるのだかわからないことも多い。でもその表情や話の前後の内容からこんなこと言ってんだろうなと思いながら僕は頷く。話す内容だって全然わからないことも多い。「この前船の調子がおかしかったのは何とかっていう場所の何とかっていう機械をきちんと手入れしていなかったからだ」など ちんぷんかんぷんなのだが、その話し方だとかそんな日常のたわいもない話をまるでいつも一緒に居るかのように自然にはなしてくれることが嬉しい。「ラーメン喰いてえな。」というので船に出前を頼んだ。みんな大喜びで食べた。
震災の話も出たが「まぁしょうがねえな」。そこには喜怒哀楽すべてが詰まった感じだった。
僕は泉谷の「春夏秋冬」が聴きたくなった。
また一年後、みんなが来てくれることを楽しみにしている。 以上。

Posted by kazz! at 22:21│Comments(0)